Steve Kaufmann - The coming golden age of polyglots
概要
- 2500年前の地中海/メソポタミアには多数の言語があった。polyglotsがいた。
- 中国も同じ。漢人は中華から南下したときに多数の他言語話者と遭遇したがある程度のコミュニケーションができていた。つまりpolyglotsがいた。
- もっと近年でも、例えばオーストリアハンガリー帝国のある階級以上の人々はpolyglotsだった。
- ここ数百年で、帝国主義とともにcolonial languagesである英語スペイン語ポルトガル語などが広まった。
- ならばなぜ私は、今こそがpolyglotsの黄金時代だというのか?
- British Councilが「英語教育の有資格者が不足していることが、最大のチャレンジである」と言っているが、これはおかしい。
- そもそも外国語を学ぶのに有資格の教師など必要ない。
- 次に、英語を話せるようになるためにはlearnしなくてはならない、ということが含意されているが、そんなことはない。
- フランス語が公用語であるケベックでの調査だが、学校で11年フランス語を学習して、フランス語会話が中級に届く生徒はたったの0.66%だった。
- その0.66%にはフランス語話者の親がいるんじゃねえの?
- 現代が語学学習の黄金時代である理由が2つある。
- →2つ目の理由はどこに行ったのだろう?
- まず、inputを通じた言語習得の重要性が理解されつつある。
- 必要なのは大量のinputだ。そして、これほど多様かつ質の高いinputが得られる時代はなかった。
- Stephen Krashenが言うように、1)我々はlisteningとreadingから学ぶ。speakingから学ぶことはできない。2)我々はみな同じように言語を習得する。
- 私は、他人が何を言っているかわかる程度の語彙ができるまで、speakingを始めることを好まない。意味のある会話をするには3000語ぐらい必要。
- speakingを始めると「間違えた」とか「単語が出てこない」という経験をすることになるが、これは語学学習の必須パートなので受け入れねばならない。
- イスラームのスーフィ主義は「すでに知っていることしか学ぶことはできない」という。これは逆説的に聞こえるが、実際、ある言語の経験を積んでいなければ、文法だの基礎だのを学ぶことなどできない。
- ××という神経学者が言っているが、脳は常時学習するマシンなので、十分な刺激/経験を与えれば勝手に情報を整理してくれる。自分の脳を信じよ。
- インターネットにより各国語のinputが質量ともに爆発的に向上した。だから今がpolyglotsの黄金時代なのだ。
- 我々は多言語を探検すべきだ。スポーツと同じく言語もcross-trainingが有効だ。3つ以上の言語に晒されれば、脳はより柔軟になり、完全に理解できないことに対する耐性も獲得できる。
- 語学学習の新パラダイムはこうだ: 1.意味がはっきり分からないとか間違いをするとか、そういうことに耐性を持つ 2.複数言語を同時に学ぶ
語彙
- bourgeoisie: ブルジョワジー
- subjunctive: 仮定法
- profound: 深い。深遠な
- inhibition: 抑圧。禁止