Outliers: Why Some People Succeed and Some Don't (1)
概要
- 『グラッドウェルの新作Outliersは「特別なことを成し遂げる人と、その他大勢との違いは何か」という疑問についての本です。』
- 我々の社会は、そのポテンシャルの何割をcapitalizeできているだろうか? どれだけ効率的に才能を利用できているだろうか?
- マイケル・ルイスのThe Blind Sideについて。主人公の成功物語もいいが、印象的なのはEast Memphisという土地がスポーツで成功するためによい場所ではないという点。
- East Memphisで大学のスポーツ奨学金をもらっている生徒で、実際に大学に入る者は6人に1人。アメリカの得意なことと言えば、若者のスポーツ能力を利用して金儲けすることなのに!
- Outliersを書くときに考えていたのは、才能のcapitalizationを制約するものを特定すること、それを除去する方法を理解することだった。
- 明らかな制約の一つは貧困である。貧困の影響は過小評価されている。
- スタンフォード大の研究。IQ140以上の子供を50年追跡調査すると、成功者とそうでないものに分かれた。なぜ分かれたのか? 前者は富裕層に生れていた。後者は貧困家庭の出だった。
- あまり明白ではない制約の例。2007年のチェコのジュニアアイスホッケー代表は、1月~3月生れが半数以上だった。この種の偏りは、世界中のホッケーやサッカーの選抜チームで見られる。なぜか?
- 答えは選抜が1月1日を基準に行われるから。年初の時点では同じ10歳の子供でも、1月生れは10月生まれよりも10か月も成長している。bestな者を選抜すると、oldestな者を選抜することになる。
- 10歳の時にbestだった者に投資すれば、10年後にはほんとうにbestな選手になるだろう。が、それっておかしくないか。
- 偉大なホッケープレイヤーはどの月にも均等に生まれるはずだ。ある国のホッケーの代表選手の半数が1月~3月生れになっているなら、才能の発掘率が50%未満であることを示している。
- この制約を解消するのは簡単だ。生まれ月ごとに3グループぐらいに分けて選抜すればよい。我々がそうしないのは、いまの選抜方法は合理的で効率的でフェアだ、とnaiveに信じているからに過ぎない。
- 同じ理屈を教育機会に適用したらどうなる? (続く)
語彙
- capitalization: 投資。現金化。
- exploit: [動](利益を得るために)~を利用する。
- notion: 意見。考え。
- yardstick: ものさし。転じて、基準。
- conceive/conceivable: 想像する/想像できる限りの。
- prophecy: 予言。